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21番目に好きなひと

「あのね、せんせい」


レッスンにやって来ると
今日の出来事を聞かせてくれる。

「私の好きなひと、
何人いるでしょう?」

Aちゃんは、小学2年生。

「5人くらいかなぁ?」

「残念でした!29にんで〜す!」

会話をしながら
今日のワークブックをチェック。

「クラスにね、29にんいるの」

「全員なんだ?」

「そう。それでね、
今日席替えしたんだ」

「へぇ。好きなひとのおとなり?」

「うん。21番目に好きなひと」


大人からすると、
明らかに29人中21番目だと
好きではない方の部類で、
 
好きというより
嫌いというくくりをしてしまう。


「嫌い」という決めつけで
そこに置いてしまうと

小さな「好き」なところを
見つけるのに、ため息が出そうだ。


今度、レッスンで
21番目の曲に出会ったら、
21番目の好きな曲にしてあげよう。