「先生!この曲を教えてください!」
ある日
4年生のRちゃんは、
学校の合唱伴奏を持ってきた。
音楽専科の先生に
伴奏を頼まれたそうだ。
丁寧な言葉遣いで
教えて欲しいとリクエストしてきた。
私は、楽譜を見て
「まず、弾けるかどうか
一緒に音符を読んでみよう」
と声をかけた。
今まで記憶にないくらい
真剣な眼差しで、集中している。
「伴奏は、クラスのみんなが
Rちゃんを頼りにしているよ。
止まったり、速くなったり、遅くなったり
できないって投げ出したりできないよ。
もちろん、毎日練習もしなきゃ」
「できる?」
間髪入れず、できると返事をする。
私は、内心小躍りをした。
Rちゃんのハートに火がついたのだ。
それをきっかけに
今まで停滞気味のピアノの進度に
加速がついた。
アドバイスを素直に耳を傾け
そして、楽しそうにピアノを弾く。
弾いてみたい曲がたくさん増え
自ら楽譜を見つけたりしてくる。
6年生の時に
発表会の連弾曲を相談した。
発表会では、生徒さんの弾きたい
ソロ曲をクラシックから一曲と
何でもありの連弾曲を
一曲ないし二曲弾くことになっている。
初めての参加では、
生徒さんがプリモ(第一パート)で
私がセコンドを弾くが
2回目ぐらいからは、
生徒さん同志の連弾に任せ、
合わせレッスンでは
なるべく口出ししない。
パートナーは、練習環境を考慮して
兄弟姉妹同志、同学年、お友だち同志
レッスン時間が前後している同志
親子、園児と中学生の年の差レッスン生もあった。
Rちゃんは同学年の子と
一緒に弾くことにした。
「アンパンマンマーチ」が弾きたいな!」
3人で相談して決めたので
私は早速弾きやすいように移調をし
連弾用にアレンジした。
6年生の二人を見ていると
相手を譲り合ったり
良いところを褒め合ったり
出来ないところを解決したり
そばで聴いている私は
とても満ち足りた気分だった。
大好きな作詞の「やなせたかし」さんの
歌が心の中に響いた。
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