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沈黙

昨日は、映画の日。


久しぶりにシアターで映画を観た。

「沈黙」
原作は、遠藤周作先生で
私は先生の作品のファンだ。

内容は暗く重い。
小説の中の宣教師の苦悩と葛藤が
文章よりダイレクトに伝わる。

宗教を介した対立が
長い年月を経ても
未だに無くならないことを
私たちは知っている。


信者の命を救うために
棄教するのと
信仰を貫くのと
どちらか?

人命とモラルの間で揺れる選択に
一番「ふつうの人」だったのが
キチジロー

小説では小賢しく
宣教師の苦悩の裏に隠れていて
それはそれは
選挙前の政治家みたいな印象だったが

キチジローを演じた
窪塚洋介さんがよかった。
まるで、大きい魚の掃除をする
共生魚のように
ひっそりと、でもしっかりと存在している。

対立、抗争の世界を生きるには
キチジローのような共生する
考え方や生き方もあると
気付かされた。

エンドロールは
様々な感情を呑み込む風音が
「音楽」になっていた。