· 

メリフラのたね 5

今までのお話  → 4  → 3  → 2  → 1

ピアノレッスンの先にあるもの

 私の夢は、ごはんを作りながら

練習する娘のピアノを聴くことでした。


だから、ピアノはリビングにあります。

広さを重視したため
キッチン、ダイニング、リビングと
ひと続きなので

まさしくホームレッスンなのですが
孤立しないで、
料理しながらピアノが弾けます。


レッスン室が欲しいなと
最近、特に思ったりしますが
夢のまた夢です。


私は、何事もガミガミ言うのが
好きではないし
娘は、言われて動くタイプではなく

ましてや、アドバイスしようとすると
「口出さないで!」という拒否に遭うよりは
黙って見ているほかなかった日々でした。


たったひとつ悲しかったのは
「親がそう弾けと言ったの?」
と子どもが言われて、帰ってきたときでした。

 
@MerryFullerene
photo by Rika


「弾きたいとき、楽しく弾く」

それで充分だと思いました。

ピアノに関して
何も言わなくなると
娘はピアノに向かう日が多くなりました。

特に中学生になると
学校関係のピアノ伴奏を
一人で引き受けてきました。


細々続けていた個人レッスンも
講師が変わり
お気に入りの先生になりました。

続けるも続けないも
もう本人次第です。

曲への取り組みは
納得のいくフレーズ、納得のいく音色
納得のいく響きを目指し
何度も何度も繰り返します。


曲の好みは、古典ロマン派より
バルトーク、カバレフスキー
邦人の湯山昭さんは、大のお気に入りでした。

私とは全く違ったアプローチや好みです。

次第に「自分の世界観」を
確立していきました。


成人した本人は
もうピアノへ向かう時間は少なく
たまに帰ってきた時、私が
「連弾のセコンド練習するから
プリモ弾いてくれる?」
とリクエストすると付き合ってくれます。


確かな耳と、独自の音楽観と
美学を持っています。


もし、その成長の一端を担う
役目のひとつが、ピアノであったら
「ピアノ」が彼女の促進剤だったと感じてます。

 

メリフラとは.・・・・・MerryFullerene (メリーフラーレン) Rika & Tina ヴォーカルとピアノユニット