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泣いて笑って、ピティナステップ

ステップデビュー

先日、生徒さんが春のステップに

参加してきました。



Rちゃんは初めて、

Sちゃんは2回目です。



初めてのステップ参加のRちゃん。

会場で顔を見たら

コチコチで、固くなっています。


適度な緊張感というのは

集中する時に必要なことです。

音を聴く、良い音を出すために

からだと感覚を

コントロールしなければなりません。


しかし、まるで動物が獲物を

捕らえる集中すべき時に

からだが固まってしまうと

動くことが難しいのです。



なるべく、緊張をほぐすように

飴をなめたり、お水を飲んだり

しましたが


完璧に、雰囲気にのまれています。


椅子に座ると思い出せなくて

私に助けを求めるような

表情をしました。

一瞬、私が楽譜を持ち

駆け寄ろうと考えましたが


なんとか、最初にあるべき

音の鍵盤を探り弾きだしました。


ほんの数分の短い時間が

長い長い苦しさを伴った

時間と感じたことでしょう。


しかし、逃げずに負けずに泣かずに

最後までたどり着けました。



苦しい時間だったことでしょう。


参加者が終わり休憩に入ると

Rちゃんを連れ出し

お話しをしました。


きっと、悔しい気持ちと

うまくいかなかった気持ち

がっかりした気持ち


Rちゃんは、たくさんの気持ちが

ごちゃ混ぜになって涙が出ました。

私は、最後まで逃げずに

弾き切ったことをほめました。


そして、初めてなのに

苦くて苦しい時間を与えてしまい

ごめんなさいと謝りました。


どんな結果を聞こうと

私は責任とRちゃんの気持ちの

緩衝材になるつもりでした。


しかし、封筒を受け取ると

合格証が!!


しかも、アドバイザーの先生方からは

「ステップデビュー、おめでとう‼︎」

のことばが書かれており

赤いパスポートが入っていました。


よもや、ピアノを嫌いになるかも

もう挑戦することに

目を向けなくなるかも


そんな風に考えていましたが


暖かなアドバイザーの先生方の

ことばによって

笑顔になりました。


見守ってくれたご両親も

にこにこしてくれて

嬉しいことに、

「次回もステップを受けようと考えています」

と仰ってくださいました。


Rちゃんも

「悔しい気持ちなので

リベンジしたい」と

あらたな気持ちで、

ピアノに向かっています。



それを見ていた

Rちゃんの妹さんも

次回のステップに出たいと

言ってくれました。


子どもからおとなの方まで

暖かな雰囲気で

ピアノを弾く勇気とやり抜く力を

応援してくれるステップは

ありがたいなと思いました。