· 

想像力を持つ

「今日はイメージ通り!」

いつもの美容室で
いつもの担当さんなのに
今日は、イメージ通りに
素早く、ピッタリ、決まったと言っている。

髪のコンディションや
ヘア剤の進化もあるのだけど
と、謙遜しつつも
早い段階からイメージを作れるのは
まれなんだそうだ。


そう言えば、いつも仕上げしながら
ちょっとずつミリ単位で
ハサミを入れ、
長々とこだわりの流れやバランス
質感を作っている。

「ヘアスタイルは、想像ありき」
なんだそうだ。
まずは、お客様の要求を受け
自分の中で作品として想像し、
それに近づけるために仕事する。


それには、普段から
「イメージを持つこと」が大切で
なんだか音楽と似てるなぁと感じた。

最近の若い美容師さんの中は
「〇cm切って、肩ぐらいのところで
揃えて…」
言われたままのオーダーで
仕事するだけで
完成されたスタイルを
想像する努力どころか、
想像することを知らないんだそうだ。


耳の痛い話で、普段から
問題→答えみたいな筆記試験ばかり
重要視されて
それに早く解答できることが
「よくできる」と思われている。

音楽、特にピアノという楽器は
考えなくても音が出るし
早く弾ける、難しいのが弾けるだけで
「上手い」と勘違いされる。

実は、イメージして音を出さないと
美しさや音楽の表現には
繋がらない。

これは、表現者はもちろん
物作りの人も仕事する人も
イメージ、想像力は必要で
それには幼いころから
「考える」習慣をつけてあげなくては
と常に思う。

小さな子どもたちに
ちょっとしたお話、会話や
色を塗るとき、挿し絵をみるとき
耳を澄ますとき、
果ては、持ち物、着てる物、天気、
おやつ、好きなもの、嫌いなこと、
楽しいシール選び、階段降りるとき

なんでもかんでも
質問したり、「何でだろうね?」
とことばをかける。

どうかイマジネーションの種が
育ちますようにと、願いながら。