音楽のーと

作曲は、幾つになってもできる

第22回TIAA全日本作曲家コンクールの入賞者披露演奏会

今日は、いつもピアノ教室のイベントで

協力をしてくださる長谷川千夏さんの

入賞者コンサートへ

東京のムーブ町屋ムーブホールまで行ってきました。

 

 

 このコンクールの参加資格は、

国籍、年齢、経歴等一切問わず

入賞した暁には、賞金のほか

コンサートの開催やCD化できる権利があります。

 

コンクールの年齢制限がないためか、

若い学生の方より年齢が高い方も多くみられ

作曲という活動は、幾つになってもできる

創作活動だなとあらためて感じました。

 

 

 

優秀な作品は、奥深く

多彩な色がちりばめられていて

想像力をかきたてられます。

 

 

特に台湾の方のトリオ作品は現代曲なのですが、

人の声、街の喧騒、色々と想像できて

おもしろいと思いました。

 

 

 

 

入賞された方のスピーチで

「人生で心残りがあることは、作曲をしたくても

できなかったこと。

これから残りの時間を作曲に費やす」

 

 

「人生二毛作」は私の理想でもあるのですが

毎日雑事に追われ、疲れて、

できないと嘆くばかり。

そんな私に元気を貰った気がしました。

 

作曲の長谷川千夏さんとピアニストの深堀聖和さん。ヨガの曲に合わせたお衣裳
作曲の長谷川千夏さんとピアニストの深堀聖和さん。ヨガの曲に合わせたお衣裳
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心に響く

音楽に向き合うすがた

先日、とある中学校へ合唱祭に行きました。

 

大きなホールでたくさんのお客さまが

聞きにいらしていました。

 

 

その学校は、特別支援級があり

そのクラスの生徒さんも演奏するので

とても楽しみにしていました。

 

 

支援級のクラスは、合奏をすることになっており

観客が出払った休憩時間に

様々な楽器をセッティングして

生徒さんは忙しく準備しています。

音楽担当の先生も、ピアノの前に座り

リハーサルを始めました。

 

 

客席には、ほとんど人はおらず

外へ出なかった私は一部始終を見ていました。

 

先生のピアノで、イントロが導かれると

琴やハンドベルのメロディーが流れ

私は、興味を惹かれて

生徒さんの演奏に耳を傾けました。

 

少数精鋭という雰囲気の彼ら彼女らは

持ち場の責任者というような

真摯な面持で演奏しています。

 

どの顔も一生懸命で、

そして努力をして

この場に臨んだことが伺えます。

 

次第に引き込まれ、

心のこもった音楽が私に届きます。

 

温かい気持ちが流れ

誰もいないホールで、しかもリハーサルなのに

思わず拍手をしてしまいました。

 

 

指導の先生は存じ上げないのですが

共感できる素晴らしい先生だと感じました。

 

 

生徒さんたちは

今日という日まで、とても努力し

誠心誠意向き合ってきたのでしょう。

 

 

普通級の生徒さんは、

クラスごとの合唱ですが

クラスの顔が見えてくるようで

とどのつまり、思いをひとつにして

どれだけ練習努力し、貢献したか

 

 

そのような思いが音楽に現れる

興味深かった演奏会でした。

 

 

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生涯を通して音楽を学ぶ

今週の日曜日に、私が伴奏をしている

「日高混声合唱団」が参加する音楽祭があります。

 

私は、音楽祭の季節だけお邪魔していて

普段はお目にかかれないのですが

 

毎年とても楽しみにしているのです。

 

みなさん、お元気に参加されていてますが

中にはご病気されても

本番には一緒に舞台に立とうと

それこそ、生きる張り合いになっていたり

 

生活の中のうるおいだったり

 

人生の先輩には、

私が追い付けないほどの経験と

生きる知恵をお持ちです。

 

やはり先に生まれた方々は

「先生」であり

学ぶことがいつもあります。

 

音楽は、決して子ども時代だけに学ぶのではなく

生涯を通して学習する

「生涯学習」なんだなとあらためて思います。

 

午後の合唱伴奏を終えて家に帰ると

すぐさま、子どもたちのピアノのレッスンです。

 

今日の最後にやってきたのは、

中学生のMちゃん。

中間テストがあったので

2週間ぶりです。

 

部活は吹奏楽部で、

もうすぐアンサンブルコンテストがあるらしく

それに向けて練習をしているのだとか。

 

マイペースでレッスンしているのですが

内面が、かなりしっかりしてきたと感じています。

 

音楽のよもやま話に

よく耳を傾けてくれて

なるべく彼女の音楽への興味と

知識を入れるように

 

今日は、譜読みのワークが4巻まで終了したので

ワークを「楽典」にグレードアップしました。

 

内容的には、今まで少しずつ

積み上げてきた音楽の知識と

中学校音楽の教科書の内容に準じていますが

 

実は、受験用の問題集を使用しています。

 

このくらいの年齢だと

説明すれば理解が早く

 

「どうしてだと思う?」と、投げかけると

いろいろと答えを模索してくれるのです。

 

また、理解すると

音楽やピアノの興味がさらに増し、

 

知識が「考えること」への助けに

なってくれたらなと思っています。

 

それが、今日の合唱の人生の先輩方の

あるべき姿につながっていると

私は思っています。

 

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「荒城の月」の伴奏

レガートを意識する

伴奏のレッスンをしたり、

合唱の伴奏を弾く機会が多い秋の季節。

来月、ステップで

歌曲伴奏にチャレンジします。

 

選んだのは、

滝廉太郎作曲「荒城の月」です。

音楽の教科書にも載っているので

ご存知の方も多いでしょう。

 

 

私は日本歌曲が大好きなうえ

プロの声楽家の方のレクチャーを

受けることができるので

どんなことを聞けるか楽しみです。

 

 

普段、私たちが話している日本語。

 

その日本語の歌というのは、

外国語に比べ独特です。

 

よく言われるのは、

イタリア歌曲、ドイツ歌曲など

同じ声楽曲でも、

日本歌曲は特殊な分野だということ。

 

発語や意味、レガートなど

音楽に日本語を乗せると

難しさは倍増されるのではないかと

思っていました。

 

しかし、日本語という「ことば」を

人一倍大切にする文化に生まれて

 豊かなことばに触れるたび

感動すら覚えます。

 

 

 文字ひとつにも意味があり

ことば自体に想像力を込め

ことばに多様性を持たせ

ことばの抑揚に情感をのせ、

古くは、和歌に始まり、

謡曲として独自の進化していく中に

出会ったのが西洋音楽でした。

 

 

明治の文明開化とともに

西洋の調べに日本語を乗せていく過程は

思考錯誤の連続だったに違いありません。

その中で、「日本語」と「西洋音楽」の融合に

滝廉太郎は、美しく、物悲しく

荒涼とした静寂の中に漂うような調べを歌いました。

 

 

 

先日、多喜先生に

歌曲の伴奏を聞いていただきました。

「荒城の月」 一つの音に一発音の日本語
「荒城の月」 一つの音に一発音の日本語

まず言われたことは、「レガート」

 

日本語の宿命で、

ラップや話し言葉でない限り

ことばがひとつの音に対し、一語なので

常に次に移行する際

メロディーの輪郭を埋めていくように

レガートを意識すること。

 

これは、ピアノという楽器が

減衰していく特徴を持っているがため

ゆっくりした曲は、

レガートに気を配らなくてはなりません。

レガートが宿題です。

イタリア歌曲より「Caro mio ben」音に単語が対応
イタリア歌曲より「Caro mio ben」音に単語が対応
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特別講座の翌日に

ピアノレッスンを受けました

一日経って、

自分のピアノレッスンに行きました。

 

楽しい講座の振り返りを

ひとしきりお喋りして

 

ブラームスの間奏曲Op.107-2を

見ていただきました。

 

夏休み前に

核となる2つの音の弾き方を教わります。

響かせて、それを聞いて、次の音に落とす。

実際に何度も見て

どのくらいの重さか

私の腕の上で、弾いてもらいながら

感覚を掴み、打鍵のコツを教わりました。

 

107-3は、オクターブが連続しますが

やはりコツを教わると

疲れた感じがしません。

 

多喜先生の「エコ奏法」を

ちゃんとできてるのか疑問ですが

緊張させる時間は一瞬で、

すぐ緩めること。

これを実行すると

痛くなるとか、疲れることがないと思います。

 

     

夏休み中は時間を作り

ひたすら考えて、練習をしての

レッスンです。

 

 

クレンゲルピアノトリオOp.35-1
クレンゲルピアノトリオOp.35-1
ブラームス間奏曲Op.117-2
ブラームス間奏曲Op.117-2

拍子を感じて、

音が跳んでも

フレーズのひとまとまりを

一本の感じで

と言われた途端

昨日のチェロを思い出しました。

 

ひとまとまりにするときは、

チェロの弓をまっすぐに弾くのと同じで

思わず

「チェロと同じですね!」と言ってしまいました。

 

楽器は違っても

アプローチやイメージすることは一緒で

 

ピアノを弾くだけにならない

音に対して鈍感にならないと

あらためて思いました。

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室内楽一日特別講座

盛りだくさんの一日

夏休みの終わりは

通勤ラッシュの電車に乗って
代々木「リブロホール」まで。


「ジャスミン音の庭」の室内楽で
今日は、夏休み特別企画の二日目に
参加してきました。


まずは、講師のピアニスト
古屋絵里先生による
「ボディマッピング」です。


普段何気ない動作でも
無意識と思っていても

「脳」が感じている感覚が動きを生み
動きが感覚を呼び覚ます
脳と身体というのは
まるで呼応する双子のようです。


「腕」という概念は
鎖骨から指先までなんだそうで
「鎖骨」を意識する必要がありそうです。


少し休憩をはさんで、
通年グループレッスン生の方々の
トリオの聴講です。


午前午後に
メンデルスゾーン、フンメル、
ベートーヴェン、ブラームスの素敵な曲を


受講生の皆さん
ヴァイオリン森田弘昌先生と
チェロ篠崎由紀先生の
素晴らしい演奏と
レッスンを間近に聞く
とても贅沢な時間でした。


最後は、人生初の「チェロ体験」


 

弓の持ち方を教えていただき

リラックスした身体で
真っ直ぐ横へ弾いていきます。
弦に対しての圧のかけ方で
「ギーギー」した音が出るので
騒音にならない
ちゃんと聞ける「音」が出る
圧力のバランスを
誘導していただき一回リハーサル。
 
開放弦で弾けるトリオなので
楽譜は見ません。
と、いうか見る余裕がありません。
 
 
そして、ピアノとヴァイオリンと
合わせて演奏します。
 
「真っ直ぐ」
「弓と弦のところを集中して見る」
ダウンのまま、音から音へ移行するさまは
「レガート」を意識せざるを得ません。
つい、素人は一音一音
弓を動かしたくなるので
ピアノを弾く時の「レガート」という感覚が
本当にレガートか
あらためて考えてしまいます。
篠崎先生の教え方がとても上手く
たとえ初めてのチェロでも
最低限の聴ける「音」のイメージと
身体の使い方から
「音」を奏でるという
音楽の基本を体験した気がします。
楽譜から、容易で無意識に出せるピアノは
決して無造作に繰り出す音になってはならない
「イメージ」が大切だという
楽しい講座でした。
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「教本選び」教本セミナーから考える


夏休みにネット配信で受けた

セミナーについてまとめました。

 

教本セミナー「ライブ配信」

 

「教本セミナー」を受けて 1

 

「教本セミナー」を受けて 2

 


教本ジプシー

数多くある美容室から

自分ぴったりなヘアサロンを選ぶことは

なかなかたいへんです。

 

 

「どうかな?」と

キャンペーンや、宣伝チラシを見て

いざ、カットしてもらっても

「思ったとおりにならない」

「期待したのにがっかり」

「なんだか、私には合っていたかった」

と、残念な気持ちで、次を探す。

 

そんな美容室巡りを

繰り返していたこともありました。

 

 

 

教本も

バイエルから始まり

アメリカ系、ヨーロッパ系を試し

 

ひとつのメソッドが

全員に当てはまることはなく

 

でも、教本を使った

その先の出口を見据えて

(私の場合、ひとりでピアノに

取り組める自立、楽譜の理解と

好きなピースに手が届く、ピアノの楽しみ)

 

 

結局は、ひとりひとりに合わせる努力と

教本をかみ砕く理解を持って

方針があれば

どんな教本でも「使いよう」なのかと

思うようになり

 

いつしか、教本選びも

「大変な作業」から

「なんでも選べる楽しみ」に

変わっていきました。

 

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「教本セミナー」を受けて 2

夏休みにネット配信で受けた

セミナーについてまとめました。

 

教本セミナー「ライブ配信」

 

「教本セミナー」を受けて 1

 

「教本選び」教本セミナーから考える

 

 

 


アメリカ全盛教本

チェルニー、バイエルのドイツ系に始まり

フランスのメトードローズ、

ハンガリーの作曲家

バルトークのミクロコスモス、

そして、ロシア、スオミピアノスクールなどの

ヨーロッパの流れの教本と

 

もうひとつの潮流は

アメリカで続々登場した教本だった。

第2次世界大戦時の旧ソ亡命組の

功績によるところが大きいそうだ。

 

トンプソンにはじまり(戦前)

バーナム、ペースメソッド、ギロック、

グローバーアルフレッド、バスティン、

ピアノアドベンチャーなど。

 

     

アメリカ教本は、

日本でも続々翻訳され、

80年代に入ると

日本の教育者の教本の花盛りとなった。

 

うたとピアノの教本、ピアノランド、

ぴあのどりーむ、Miyoshiピアノ・メソード、

ピアノひけるよジュニア、ゴーゴーピアノ、

みみをすます、ロシア奏法によるピアノ教本

ぷち・わかーる     などなど。

 

 

グループレッスンの導入は、

アメリカのペースメソッドを

ベースにしていたり

スオミの導入があったり

 

やはり、グループレッスンというのは

教育的観点からよく練られて

教材を吟味し、

よいところを取り入れていたりする。

 

 

個人レッスンでの教本を選ぶ

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「教本セミナー」を受けて 1

夏休みにネット配信で受けた

セミナーについてまとめました。

 

教本セミナー「ライブ配信」

 

「教本セミナー」を受けて 2

 

「教本選び」教本セミナーから考える


ピアノ教本の歴史

バイエルという教本は昭和のド定番だが

19世紀の半ばにドイツで生まれた。

 

その後、米国へ渡り

アメリカを経由して日本にも輸入された。

 

欧州では、フランス、ハンガリー、ロシアなど

独自のメソッドが確立し

米国では、トンプソン、バーナム、ペースメソッドなど

新しい教本がぞくぞく提唱されていく。

 

 

しかし、日本は文明開化のころのバイエルが

戦前戦後変わらずあり続け

昭和の高度成長時代に

やっとさまざまな教本が出現する。

 

 

ピアノがごく一部の人々の

教養や趣味だったころを経て

普遍性を持った時

教本は必然的に開発されてきた。

国の経済成長や国力と一致しているのが

見てとれる。

 

「教本が変わるのに50年かかっている」

と先生がおっしゃっていたのが

印象的だった。

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「教本セミナー」ライブ配信

夏休みにネット配信で受けた

セミナーについてまとめました。

 

「教本セミナー」を受けて 1

 

「教本セミナー」を受けて 2

 

「教本選び」教本セミナーから考える


今どきのセミナー

ピアノの先生は、勉強熱心だ。

楽器店の講師だと、

自前で研修が用意されており

忙しいなかでも、

有意義でタイムリーな講座に

ほぼ無料で参加し、勉強できる。

 

 

ピティナも、

生徒さんだけのシステムだけでなく

指導者用の様々なプログラムが

目白押しだ。

 

指導に関しての研究も一律ではなく

アプローチもたくさんあって

 

 

選択肢が多いので、

経験がないと大いに悩み

若い先生方や指導を始めたばかりだと

迷うばかりで途方に暮れる。

 

 

そこで、勉強するために

せっせとセミナーへ通うのだ。

 

しかし、交通費、セミナー代を考えると

貴重な時間や休みを

使ってまでのことかな?

 

本当は、

ひとりの生徒さんのために

一生懸命、楽譜を探し、

本を読み、調べ、考えたほうが

有意義なのかもと考えてしまう。

 

 

魅力的なセミナーは、

とてもためになることが多く

すぐに取り入れ、

実行したいと思うので


そういった良いものを集め

より高い

「レッスンのクオリティー」を追及し

目の前のひとりのために

励むのが筋だと思っている。

 

 

先日、教本のガイドブックを発売された

ご著者の「山本美芽」先生が

フェイスブックを通じて、

ライブ配信のセミナーを

されるということだったので

さっそく申込みをした。

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弾き合いセミナー『ワン・ピアノ・デュエット』

弾いてみて分かること

今日は、山本美芽先生主催の「ひきあいセミナー」シリーズ

「ワン・ピアノ・デュエット」という連弾の教本を使った
セミナーへ行ってきました。

連弾は楽しいです。

必ず、いっしょに弾こうとか
仕上げに伴奏をつけたり、
遊んだりする時間を作ります。


ちゃんと「意図するもの」を仕込みつつ、
楽しく」演奏するのを心掛けています。


普段のレッスンでは、
私と仲良くいっしょに弾くのが定番ですが
 
発表会やイベントなどでは
お友だちやファミリーで
演奏する機会を作ります。
 
悩みに悩む
選曲で気をつけていることは
現時点でのピアノレベルより
かなり簡単で、容易に弾ける曲を選ぶこと。
 
連弾で、「合わせる」というのは
それほどたいへんな作業なのです。


耳をつかう、音を聞くというのを
意識的にレッスンしてきたか
 
連弾を体験すると
何が身に付いて、何が足りないのか
生徒さん本人にも、私にも
たくさんわかることがあるのです。
 
 
生徒さん同士で弾く、同じレベル同士
兄弟姉妹で、簡単と少し難しいレベル
生徒先生のレベル曲
講師演奏にできるような曲


古内奈津子先生をはじめ、
なさんのワンポイントアドバイスが
的を得ていて勉強になります。


この教材を片っ端から
手分けして弾いてみる、聞いてみる
時間を目一杯使った
充実したセミナーでした。
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考えるレッスン

うまくなるコツ

先日、プライベートレッスンがありました。

いつものように
チェルニー100番、
バッハインヴェンション、
これらはレッスンの定番で
やり直しピアノです。
レッスンを受け始めて
子どもの頃
何を考えて弾いていたのか
先生からどんなアドバイスを
頂いたのか?
思い出せないので、
辛うじて楽譜の走り書きに
目をやります。
でも、書き込みは少なく
次々と、淡々と曲を進んでいったのでしょう。
今は、やり直しが楽しく
何より「考えて」ピアノを弾いています。
「考える」ことは基本です。
長い間、ひとりで取り組んできたので
どうしたら弾けるだろうと
考えるクセがついています。
 
 
チェルニー100番の簡単な練習曲でも
間違えないで弾けたらおしまい
ではなく
美しく、音楽的に
 
感覚を研ぎ澄ますと
見えてくる世界があって
「あ〜自分と向き合っている」
「対話をしている」と
思えてくるのです。
 
 
忙しく過ごして、気がついたら
自分のことは二の次で
 
無限にあると錯覚していた時間には
限りがあることに愕然とし
 
残りの時間を
弾きたかった曲に費やす方が
いいのかもしれない。
 
でも、丁寧に曲をみていたら
これで充実している自分があります。
 
インヴェンションは、
喜んで弾いていた覚えがあるので
習った順に持っていってるのですが
 
「やりたいことは、わかるんだけど…」
と、言われ気がつきました。
 
単によどみなく
単に弾くことに囚われ
まんべんなく聞くことを
忘れていました。
 
右手だけをツボ弾き(拍の頭だけを弾く)
                        ↑
             私が名付けました。
さらに、右手を左右で分担して弾きます。
左手も同様にして弾き
拍だけを歌いながら弾いたり
両手にする時も
歌いながら、拍頭だけ両手、など
いろいろなアプローチを試します。
 
 
そうすると、自然に音がまんべんなく聞こえてきます。
 
 
こうやって自分を通して
問題点を探し、練習方法を考え
レッスンを受けることは
自分はもとより
生徒さんに還元できると思っています。
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音符と音符のあいだ

仲間になれないピアノ

昨日は、室内楽のトリオレッスンでした。

モーツァルト作曲
ディヴェルティメント 第二楽章
4月に続き2回目です。


前回の課題を心に刻みました。

「一緒に動く」

どんな曲でも、
たとえチェルニー100番でも
アドバイスをいただくことは
同じことを指していると
毎回、思います。


じゃあ、何度言われたらわかるんだ⁈


私が鈍いというのもありますが


「ピアノは特殊な楽器」と
言われたことを思い出しました。

ひとりで弾き、
ひとりで練習しているうちに

「音をイメージして出す」意識が
希薄になるのです。


弾けた気がする勘違いを
無くすために
今日から、自分の中では
「ピアノを弾く」ではなく
「ピアノを鳴らす、響かせる」と
言い直します。
二つ目は、
「音の方向性」とか
「音のゆくえ」など
いつも指摘されます。
 
 
次へいく、次へ動く、次へ飛ぶ
次へ下がる
 
二音間での動きが最短距離をいくと
実は動きが停滞するという現実。
 
 
つい、ピアノを弾く時は
現時点の音を出す→できた→次
 
時間が流れているのに
いちいち結果を確認するがごとく
思考がポーズ(一時停止)してる
ように思うのです。
 
 
音符と音符のあいだの余白は
次へのエネルギーを貯め
先へ流れるための
余白を感じるように
 
あいだが重要と認識しました。
 
 
弦楽器との溝は、埋まらず
ますます遠ざかります。
 
次回は、仲間に混ぜて貰えるのが
目標です!
 
 
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教本お助け本「ピアノ教本ガイドブック」山本美芽著

教本の嵐の中で

昨日、届いた本を読みました。

こちら     ⬇︎

楽譜を買いに行く時

たくさん、たくさんの中から
ぴったりな教本を選ぶことは
先生の仕事のひとつです。


しかし、楽譜屋さんへ行くたび

あれこれ手に取り
中味を確認して
生徒さんを思い出して


時間も手間もかかる仕事です。


わたくしごとですが、
頻繁に楽譜を見に行くのが難しく
ここ数年は、電話注文で
在庫がなければ、入荷を待って
一気に買い込んでくるのです。


この本は、私のような
中味を確認しないと安心できないとか
教本に迷った時に比べたい
教本の方向性を知りたい
また、すぐ近くに楽譜売り場がないなど


ガイドとして、選択肢として
また教本の歴史や流れを知る
すばらしいワークだと思いました。


「なにを教えるのか?」
「なにが足りないのか?」
「なにを目指すのか?」


目的あっての教本ですが

美しい音楽へ向かうには、
優しく暖かな道しるべが必要です。

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自分のためのピアノレッスン

「ブラームスは音楽的偏差値が高いのよ…」

昨日は、月に一度のレッスンでした。

室内楽がご縁で
やり直しピアノを
お願いしています。

やり直しというのはおこがましく
本気で、チェルニー100番と
インベンションを見ていただいてます。
毎回、発見があり
私にとっては貴重な時間です。


先月、「そろそろ曲を持ってきて」

モーツァルトのトリオばかりで
しばらく曲を弾いていませんでした。


バッハが好きですが、
「シューマンか、ブラームスはどう?」

すかさず、ブラームスの間奏曲を

選びました。
難しいですが、熟年にぴったりなのです。
 
若い頃は、
なかなか感じることができなかった
音楽の深みと味わい。
 
 
一度通すだけでくたくたになります。
 
「ヨタヨタしてるのか、
曲の解釈かワカラナイわ」
 
そうそう。
ヨタヨタしてるのです。
複雑な和音に、気の抜けない状態が続きます。
 
 
「ブラームスは『音楽的偏差値』が
高いのよ」
 
 
メロディー、和音、内声
からまり合い、凝縮され、
音の響き、清らかさから濁りまで
余すところなく、追求するのは
本当にレベルが高い。
 
 
あ〜衰えには、脳トレブラームス!
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くノ一ばあちゃん

忍者みたいなばあちゃん

冬の間の
はちやさんとの同居は
慣れるまで時間がかかった。

しかし、毎年のことなので
生徒さんは当然のごとく
レッスンに集中し、
夕方、はちやさんが在宅していれば
私語を慎しんだ。


時折り、障子の向こうから
流れてくるテレビの音や
しゅんしゅんと沸く
やかんの音にも

新参者の同居人の私は
だんだん気にならなくなった。


声こそかけるが
あまり顔を合わせることもなく
はちやさんも
遠慮がちに気を遣っているので
話すチャンスがなかった。

養蜂家の仕事や、蜜蜂のこと
チャンスがあれば
聞きたいなぁと思っているうちに

いつの間にか、
きれいに片付けられて
また、いつものがらんとした
和室に戻っている。


陽射しがまぶしくなって
春になってくると
ようやく
身体の芯まで冷えきってしまう
レッスンから解放される。
いつものように
くノ一ばあちゃんによばれて
お茶をごちそうになり
お喋りをしていると
 
 
「先生、これ持って帰る?」
と、瓶を差し出した。
 
「なんですか?これ?」
 
くノ一ばあちゃんは、
知らないことが多い私に
穏やかな微笑みを浮かべ、お話する。
 
 
「これね、はちやさんが置いていったの」
 
瓶の中身は、蜂蜜だった。
 
でも、蜂蜜に見えない。
乳白色よりクリーム色で
低温で固まっていて
薄い色をしたバターのようだ。
 
無添加で
加工していない蜂蜜は、
あめ色ではなく
 
むしろ白っぽくて
蜂蜜独特の匂いがしない。
しかも、固まった状態であれば
平気で1、2年保存可能だそうだ。
使う時は湯せんする。
 
一度も蜜蜂を見ることなく
蜂蜜だけ頂いた
養蜂家のはちやさんと
忍者みたいなくノ一ばあちゃんは
どうしているのだろう?
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「はちやさん」とは?

「蜜蜂と遠雷」の風間塵

里山の音楽教室は、
だんだん寒くなってきた。


廊下の片隅にピアノが
置いてあっても
暑い夏に
扇風機ひとつで過ごしても


子どもたちや
保護者の皆さんはとても熱心で
いつの間にか
教室は満杯状態になった。


師走に入るとさすがに寒くなり
石油ストーブを使用した。

座卓は、こたつに変わり

生徒さんはこたつに暖まりながら
ノートやソルフェージュをやっていた。
部屋といっても廊下である。


暖房器具だけでは 
中々暖かくならない。


私はコートが脱げず
いつも着たまま
毛糸のソックスを持参し
使い捨てカイロも必要だった。


柱にある室温計はいつも一桁だった。
室温5℃という
外気温と変わらぬことも
珍しくなかった。


寒くて手がかじかんでも
子どもたちは
一生懸命ピアノを弾いた。

ある日、

くノ一ばあちゃんが
「今日から、はちやさんが来てるから」
と告げた。


「はちやさんって?
だれなんですか?」


「先生は、
はちやさん、知らないの?」
くノ一ばあちゃんは、
珍しそうに私を見た。


「はちやさん」とは
養蜂家で
蜜蜂を連れて
こちらまで
毎年やって来るらしい。

「風間塵」のお父さんと一緒である。


しかし、
花もない冬にやってきて
暖かくなる
3月になると帰るので
どういうことかと疑問だった。


本拠地の秋田では
冬が寒いので
こちらで蜜蜂の冬を越して
春先に帰るのだそう。


越冬期間中
くノ一ばあちゃんのところを
間借りしてるのだった。


当然、
はちやさんは離れで寝起きし
廊下はピアノ教室

そして、
障子を挟んで和室は
はちやさん夫婦。


なんとも奇妙な、はちやさんとの
同居音楽教室の冬だった。
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「ひよっこ」のスミコ

腰の曲がったばあちゃん

今日のNHKの朝ドラは、

「椰子の実」歌ってましたね。


生徒さんの受験曲で
しばらくの間、歌の指導をしてました。

歌詞が難しいんだけど
ドラマの中では、心情がリンクして
歌詞に寄り添うことができます。




そして、主人公みね子の同僚

「澄子」のエピソードが
ちょうど、ばあちゃんの話しでした。
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「はちやさん」の音楽教室

「蜜蜂と遠雷」で思い出したこと

里山のピアノ教室へ

通うようになって

オーナーさんのおばあちゃんと
仲良くなった。


レッスンが終わると
離れの戸締まりと電気を確認して
母屋の方へご挨拶に伺う。

すると、おばあちゃんが

 
「まあ、お茶でも一杯どうですか?」
 
とすすめてくれ、
そしてお茶菓子を探しに
肌電球の薄暗い板の間へ向かった。
 
 
おばあちゃんは、
長年農業に従事してたらしく
腰が深く曲がっていて、
背丈が小学校低学年のようだった。
 
 
奥の茶箪笥は、
おばあちゃんの背丈より
とても届きそうにないくらい
ずっと高い。
 
一瞬手伝おうかと躊躇したとたん
曲がった腰をぐいと伸ばし、
お菓子の箱を取り出したので
私はたいそうびっくりした。
 
古い母屋には棚がいっぱいあり
広いお宅で
独り暮らしのおばあちゃんは
どうやって物を出し入れしているのかと
私はずっと疑問だったのだ。
 
それ以来ひそかに
「くノ一(くのいち)ばあちゃん」
と呼んでいた。
 
くノ一ばあちゃんは、時々
野菜や果物、柿や栗などを
帰り際に持たせてくれた。
私は、お返しに
お菓子などをおすそ分けした。
 
ある晩秋、
レッスンの後いつものように
お茶をごちそうになっていると
 
「寒くなると、はちやさんが来るよ」
と言った。
 
「ハチヤさん?」
なんだろう?ハチヤさんって?
 
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「蜜蜂と遠雷」と「はちやさん」

やっと、読めた。

連休中、買っておいた「蜜蜂と遠雷」を読む時間が作れた。

 

細かい字に苦労するので

好きだった読書も、めっきり減ったが

これはとても面白く、ぐいぐい引き込まれた。

 

20代のころ、音楽教室で講師をしていた。

 
教室のひとつに
とても遠くて、車で通った場所がある。

のどかな里山で、目の前が田んぼ。
広い庭に裏山がある
農家の離れが教室だった。
 
母屋は典型的な農家で
玄関を開けると薄暗い土間があり
左側に板の間、奥が和室。
 
ビルの一角のオフィスのような場所や
幼稚園にある教室とは別格で
本当にピアノ教室なんだろうか?と驚いた。
 
 
「◯◯音楽教室の△△と申します。
今日から担当になりました」
 
あいさつに伺うと
腰の曲がった姉さんかぶりのお婆さんが
「そうかね〜
いま、畑から帰って来たところだ」
と告げた。
 
さっそく離れを案内してもらい
「この部屋は、使ってないから
自由に使ってください」と去っていった。
 
離れは、たぶん昔納屋だったのだろう。

改築をして、母屋より新しかったが
玄関の上り框はとても高く、
腰の曲がったおばあさんは
どうやって上がるのだろうと、
ふとよぎった。


がらんとした12畳ほどの和室には
何もなく
広縁に囲まれていた。

東側には、簡単なキッチンとトイレ、
南西の角に、アップライトピアノが
一台ぽつんと置かれていて

埃っぽい場所にテーブルと座布団、
西側の掃出し窓から
生徒さんが出入りできるように
外に置き石が置いてあった。


ようするに、和室ではなく
「廊下」でレッスンをするようになっていた。


なんだかすごいところで
レッスンする羽目になってしまったな

里山の1年目は、
なんと週に3回も通うことになっていた。



つづく。。。。
 

 
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ピアノライブ!「るんるん♪ピアノコンサート」

古内奈津子先生のコンサート

今日は、午前中のレッスンを終えてから
飯能市の「Cafe BROWN」という
ところまで行って来ました。

Cafe BROWN
Cafe BROWN

グランドピアノがある

すてきなカフェです。
この場所で、
古内奈津子先生とわたなべよし美先生による
ピアノのコンサートがありました。
連弾を中心に
お客さまが親しみやすい選曲です。
第1部には、
フォーレのドリー組曲。
このカフェのピアノにぴったり!
音がまろやかで、細部の陰影まで
輪郭が見えるようです。
その後、お二人のソロ演奏が続き
休憩をはさんで第2部へ。
楽しい雰囲気の中
「ブルグミュラー25練習曲」
ピアノ学習者には、必ず通る道。
しかし、練習曲といえど
一曲一曲がキャラクターと
必要なテクニックをそなえ
弾けば弾くほど、味わいと愛着が湧く
とてもすてきな曲集です。
そのブルグミュラーを
楽しい趣向で、お二人が弾きます。
なんと会場のお客さまが
曲のくじを引き
当たった曲を演奏するのです。
お二人かわりばんこに弾いていくにも
連弾あり、タンゴアレンジ、歌あり
フラメンコの踊り付きなど
お客さまも、盛り上がります。
最後に、サン=サーンス「動物の謝肉祭」を
連弾で聴きました。
やはり、連弾というのは
迫力と音の重厚感がソロにはない魅力です。
楽しい時間を
しかもライブ感覚で堪能しました。
お家に帰ってピアノ弾きたくなっちゃったな、
きっと、今日の小さなお客さまも
私と同じ思いになったことでしょう。
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